No.9: 『アメジスト:注意書き』

言い忘れておったぞ(・_・)

この一連のコラムを読みながら、
「ああ、アメジストってワイン色に染まったからあんな紫色なのねー♪」と
神話の世界に夢を広げている皆さん。

そんな皆さんの夢を木っ端微塵にしてしまうお話があったのでしたよ(・_・)
いやぁすっかり忘れておったわい。あたしもモウロクしたもんだわ。

 
シトリンっていう、黄色っぽい石があるんです。
日本名、黄水晶。要するに水晶の仲間です。
水晶とはクォーツで、石英の仲間ね。これの変種で黄色っぽい色をしたやつを
シトリン(フランス語の「レモン」が語源)と呼んでおります。



マディラ
ってのもシトリンと同じこと。てか、シトリンの中でも上質の、
濃いオレンジ色に近いもの(赤に近いオレンジ)をマディラと呼びます。
モロッコ産のマディラ・ワインの色に似ているからそんな呼び名になったのです。
(まぁ要するに、オレンジジュースとブラッドオレンジジュースの違いみたいな
もんですな(^。^)y-.。o○←投げやりな説明だ!)
まぁこれはめったにお目にかかれないのでいいとしましょう。

なんでシトリンが黄色いのか。
単純な話ですよ。水晶の鉱脈の側に鉄の鉱脈があったんです。
で、水晶の中にその鉄のイオンが混ざっちゃったの。だから鉄色で黄色いの。
鉄さびは黄色いでしょうが。濃くなればオレンジ色でしょうが。あの色ですよ。

でもね、そんな鉱脈はなかなかない。
だから上質の、そして大粒のシトリンはなかなか手に入らない。
あったって高い。当たり前ですよね?

なかなか手に入らないものを手に入れたがるのが人間です。
それも出来るだけ安くね。それはまぁいいでしょう。人間の本質ですからね。

で、ここでアメジストが問題になってきます。
昔、アメジストを掘っていた鉱夫達が、間違ってアメジストの原石を
ころっと焚き火の中に転がしてしまいました。
んで焚き火からアメジストを取り出してみると、黄色になっていたのです。

実はアメジストは熱や光によって退色(色があせること)します
綺麗な紫色が黄色っぽい茶褐色になっちゃうの。
で、非常な高温で熱すれば色は完全に抜けて水晶の色になります。
アメジストの紫色ってそんなもんなんですよ。

で、世の中では、シトリンが手に入りにくいからって
手に入りやすいアメジストを熱加工して黄色っぽく変色させ
シトリンとして販売していることがあります

しかもこの手法は一般的なのだ。なにも珍しいことではないのです。

または水晶(何も色のないやつね)にコバルト60という放射線を当てて
黄色に変色させ、シトリンとして販売している
お店もあります。

 (余談ですが、スモーキークォーツ、“煙水晶”は、このコバルト60照射で
生み出されているものが多いのです。安いやつはね。
青いトパーズなんかほとんどそうだよ!)

・・・それがこの世の常なのかもしれない。そんなことは分かってはいますが・・・。

あたしはそういうことが好きではないんですよ・・・。

アクセサリー屋さんはそれでいいでしょう。
しかし占い師や呪術師はそれでは困るんですよ!!!

アメジストは熱と光によってその色を失うのだから
聖別(浄化でもOK)には太陽の光は使えない

んなことすれば退色しますからね!

シトリンの黄色は鉄イオンによるものです。
だから聖別は水によるものを避けたい。太陽光はぜんぜん問題なし

でもちょっと考えてみて下さい。
そのシトリンが実はアメジストを熱加工して黄色く変色させたものであったならば・・?
太陽に当てるわけにはいきませんよ・・・??
本来のシトリンと、熱加工による人工シトリンは、聖別(浄化)方法が
変わってきますよね。
おかしな話ではないですか! (ノ ̄ ̄∇ ̄ ̄)ノ⌒━━┻━━┻━━
危なっかしくて聖別も出来やしない!

・・・そんなことをお店に言ったって無駄なんでしょうなぁ・・。
占い師の都合なんか関係ないでしょうからねぇ・・・。

でも何か効果を期待するからこそ、人はプラスチックビーズやガラス玉ではなく
パワーストーン(鉱物)を身につけようとするのでしょう?
それをこんな風に偽ることがいいことなのだろうか・・・。
あたしにはどうしても分からないことなのですよ(-“-)

だからまぁ、もしもあなたが、天然のシトリンを手に入れたいと思われるならば
「光による聖別(浄化)はオススメしません」と注意書きのある“シトリン”は
お手に取らないようになさったほうがいいかもしれませんな・・・。
おそらくそれはアメジストの熱加工ものでしょうからね。

ま、あたしに言えるのはその程度です(^。^)y-.。o○
いやはや、セチガライ世の中になりましたなぁ、皆さん!

2005/05/30

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