No.51: 『フェリダヴァイト』
ゆ~きやこんこん、あられやこんこん♪
東京は大雪ですよ、奥さん(・-・)
別に雪は嫌いじゃないがね。それにしてもよく降るのう。
瀬戸内気候で育った(神戸生まれ神戸育ち)者にとって
大雪は結構レアな現象なのです。
ま、寒い分には文句は言うまい。暑いのは大嫌いだが寒いのは別に構わん。
寒いほうが煙草の味わいも際立つしな(^。^)y-.。o○
ハンジャル嬢のインフルエンザが一段落(?)したという知らせを受けて
この雪の中ハンジャル嬢の工房を訪ねるあたし。
ホントに一段落したんだろうな。してなかったら超ヤバイんだが。
不思議な話で申し訳ないんですが、
あたしはインフルエンザの抗体を作れないんだそうですよ。
小学生の頃、冬になると学校でインフルエンザの予防接種があったのですが、
それを受けると必ず接種されたインフルエンザの型と同じ型のインフルエンザを
すぐに発症するのです。
不思議に思った母親が大きな病院で検査を受けさせてくれた結果、
「この子はインフルエンザに対する抗体を作ることが出来ません」と言われたそうです。
普通は、予防接種用として弱めた菌を体内へワザと入れ、
それに対して抗体を作らせ、そこに本番のウィルスがやってきたら、
あらかじめ作っておいた抗体で対処させようというのが予防接種のあり方なのですが、
あたしにはそれが通用しません。予防接種用の弱めた菌で感染しちゃうの。
実にやっかいです(-“-)
その検査結果を学校に提出した結果、あたしは予防接種が毎年免除になりました。
医務室へ連行されてゆく、クラス全員のうらやましそうな視線を浴びながら
優越感に浸って教室に居残っていたものですよ( ̄▽ ̄)b
しかしオトナになってみると、優越感もクソもないぞこりゃ。
ヤバイじゃないか。どうすりゃいいんだ。
目に見える相手であれば叩きのめせば済むことなんですが
菌相手では実に無力なあたしです。困ったぞ。なんかいい方法ないもんかな。
ま、ないもんはない。
なので気にしないで話を進めましょう(⌒∇⌒)ノ
こないだ、ふぇりしあ嬢から奇怪なご相談がありました。
ふぇりしあ嬢:「しのめさーん」
あたし:「あんだね?(・-・)」
ふぇりしあ嬢:「ハンジャルさんにブレス作ってもらったんだけどさー」
あたし:「切れたのかね?(・-・)」
ふぇりしあ嬢:「ううん、切れてはいないの」
あたし:「よかったじゃないか(・-・)」
ふぇりしあ嬢:「切れてはいないんだけど、石が外れるの」
あたし:「は??」
ふぇりしあ嬢の話を要約すると、 ブレスの糸はどこも切れてはいないのに、
そのブレスに使用されているのと 同じ種類&大きさの石が外れてゆく。
そしてその石は別に割れてはいないんだそうで。
あたし:「ンなわけあるもんか!(ノ*`´)ノ⌒┻━┻」
ふぇりしあ嬢:「だって何度見直してもブレスは切れていないんだもの!」
あたし:「切れてねぇのに石が外れるわけねぇだろ!
糸は切れてねぇ、石は割れてねぇのに、
いったいどうやったらブレスから石が外れてゆくっていうんだよ!」
ふぇりしあ嬢:「だってだって、本当に外れてゆくんだもの!」
あたし:「コノヤロウ、どんな魔法を使ったっていうんだ!
さてはあんた、三代目引田天巧だな!いつデビューするんだ!」
ふぇりしあ嬢:「ち、違うよぉー>_<。」
あたし:「じゃあ、ミスターマリックの正体は君だろう!?」
ふぇりしあ嬢:「違うったら!>_<。」
メッセで話しててもラチがあかんと判断したあたし。
その問題のブレスをハンジャル工房へ戻してもらうことにしました。
到着したそのブレスを、ハンジャル嬢がすみずみまでじっくりとチェックします。
どこも糸は切れていません。
そしてそのブレスには、「外れた石」が同梱されておりました。
その石は確かにそのブレスに使用されていた石。そして割れてはいません。
しかし、何度ブレスを見直しても、石の数及び配置は合っています。
どこも足りなくなっていません。
あたし:「きっかいな・・・・・(-“-)」
ハンジャル嬢:「どうしてなんでしょう・・・」
あたし:「分からん。こればっかりは全く分からん(-“-)」
別件で局長へ電話をし始めたハンジャル嬢。
奇怪なブレスの話を局長に語っているようです。
(スピーカー設定なのでこっちにも聞こえます。三者通話がラクチンでしょ?)
さてはて、どんな結論に至るやら。なんか結論が出るってんなら出して欲しいほどだよと
煙草に火をつけかけたあたしにハンジャル嬢のすっとんきょうな声が響きました。
ハンジャル嬢:「・・・そうか、分かった!」
あたし:「なにがだ!∑( ̄▽ ̄;)」
ハンジャル嬢:「ふぇりさんは、石を自分で生み出す力を持っているんだ!」
んなわけないやろ!(ノ*`´)ノ⌒┻━┻
局長:「なるほど。それで全ての謎が解けたな」
あたし:「あんたも納得せんで下さい!(ノ*`´)ノ⌒┻━┻」
局長:「はんちゃん。外れた石はどんな石なの?」
ハンジャル嬢:「マラカイトとブルーレースですー」
局長:「では次回はモルダヴァイトなどをふぇりしあさんにお渡ししなさい。
同じ増やすなら高価な石にしてもらったほうがお互い得だしね」
そういう問題か!?(ノ*`´)ノ⌒┻━┻
ハンジャル嬢:「さすがは局長さん!あったまいいー!」
誰かあたしの話を聞け!(ノ*`´)ノ⌒┻━┻
局長:「増やした分をいくらで買い取るかの計算もしなくては・・・」
いや、そんな計算しなくていいですから!
ハンジャル嬢:「ふぇりしあさんが増やしたモルダヴァイトはやっぱり
フェリダヴァイトとかいう名前で売るべきなんでしょうか?」
いや、そんな名前つけなくていいから!
化学組成どうすんのよそれ!
局長:「ある意味レアだし、高く売れるかもね!」
ハンジャル嬢:「ふぇりしあさんを叩くとフェリダヴァイトがひ・と・つ♪
もひとつ叩くとフェリダヴァイトがふ・た・つ♪
そーんな不思議なふぇりしさんが欲・し・い♪
そーんな奇怪なふぇりしあさんが欲・し・い♪」
逃げるんだ!ふぇりさん!o(><;)(;><)o