はいどーも。紫乃女です。
ご機嫌いかがですか?

薔薇のシッポさんとこの会員サロン(?)Elpis にて、9 月の紫乃女特別賞を受賞なさっ
た方から、「アステカの神々について」・「宇宙について」・「幽体離脱について」の3 つの
お題のうち、一つを選んでコラムを書いて欲しいというご要望を頂いたんですが、どれを
選ぶべきか正直迷いました。

一番最初に「このお題は止めとこう」と思ったのは「宇宙について」です。
なんたって解明していない謎が多すぎる。宇宙の始まりすら、仮説は山のようにあれど、
どれが正しいのかはいまだに分かっていないでしょう?
専門家の方々が頭を絞って考えても謎が広がるばかりの宇宙に関して、一介の呪詛屋が言
えることなどたかが知れているではありませんか。なのでこのお題は却下となりました。

次に、「幽体離脱(体外離脱)に関して」ですが、正直に申し上げますと、あたしは反対
派です。こんなものは意識的にやろうと試みるもんじゃないと内心思ってます。何度も何
度も試みるうちに、思わぬ弊害が脳に発生し、そしてそれは一生あなたを苦しめることに
繋がるだろうと、『内心』思ってはおりますが、その一方で「新しい能力に目覚めよ
う!」とか言って「幽体離脱」を推奨する方々が一定数いらっしゃるのもまた事実です。

紫乃女は基本的に、売られた喧嘩は借金してでも買いますが、自分から売って歩く趣味は
無いんです。弱い犬じゃあるまいし、自分からワンワン吠えまくるのは恥ずかしいでしょ
う?そんなわけで、一定数いらっしゃる「幽体離脱推進派」の方々に喧嘩を売らないため
にも、このお題はパスしたいなと思います。
(でも止めておいた方がいいと思いますよ?何の証拠も無いのに紫乃女がそんなこと言う
わけないでしょう?)

となると、残りは一つですので、必然的に今回のコラムのお題は、「アステカの神々につ
いて」
ということになりますね!ヾ(´▽`)ノ
 
アステカの世界は、オメテオトル(Ometeotl)という神によって創造されました。
オメテオトルは二面性の神様で、「男性と女性」「光と闇」「秩序と混沌」のように、対立
する2つの性質を兼ね備えた神様だったのです。

ま、男性性も女性性も兼ね備えていらっしゃるのでお一人で子孫作成が可能だったもので
すから、有名どころのケツァルコアトルテスカトリポカなどを始めとするアステカの
神々をお一人でばんばん生み出した後、とっとと楽隠居を決め込んでしまわれました。
なので、この世界の創造を実際に担当したのは、生み出された側の神々だということにな
ります。

ただ、天地は創造出来たものの、太陽に関しては神々でさえも何かを犠牲にしなければ生
み出すことが出来ませんでした。
アステカ神話では、現在に至るまで、世界の創造と終末が何度か繰り返されてきたのです
が、現在の私たちのこの世界は「第五の世界」に該当します。つまり今までに「第一の世
界」から「第四の世界」が生まれそして滅びたということになります。

世界が創造されるたびに、神のうちの1 柱が犠牲になって太陽を作ってきました。
そして第五のこの世界を創造する際に、神々はテオティワカン(現在のメキシコの首都メ
キシコシティの北50 キロ近辺の場所)
というところに集まって、今回は神々のうちの誰
を犠牲にして新しい太陽を創造しようかと話し合いました。

でも、誰だって自分が犠牲になりたくはないものです。
最終的には2 柱の神々が選出されましたが、自ら火の中に飛び込み我が身を犠牲にして太
陽を生み出したのは1 柱でした。残りの1柱はちょっとためらってから飛び込んじゃった
ので、太陽が2つ生み出されることになってしまいました。太陽2 個分の眩しさと暑さに
びっくりした残りの神々は、後から飛び込んだほうの神の顔にウサギを叩き付けてしま
い、いきなり顔面にウサギが張り付いた側の神もびっくりして、太陽ではなく、月になっ
ちゃったそうです。月にウサギだなんて、ちょっと日本と似てますよね!ヾ(´▽`)ノ

ただ、ここで注意しなければいけないのは、「太陽は神を犠牲にして生み出され続けてき
た」
ということです。
世界を維持するために神ですら生け贄を捧げてきたのです。だからこそその神に従う人間
達も同様に神に生け贄を捧げる必要があったのです。この世界の維持のために、そして新
しい世界を更新するために、アステカの民は神々に生け贄を捧げる必要があったのです。

ですから「捕虜の心臓を神に捧げるなんて野蛮な民族だわ!」と思考停止する前に、「な
ぜアステカの民はそんなことをしなければならなかったのか」を神話面から再度見直して
みるのは異文化の理解において大切なことだと思いますね。だって最終的にその「野蛮な
民族」を武力と疫病で滅ぼしたのが、YHVH を絶対神として掲げる自称「文明人」達なん
ですから。どっちが野蛮か分かったもんじゃないでしょ?

ま、アステカの神話体系はこれくらいにして、そろそろ神々の話に移りましょう。
とはいっても、結構な数いらっしゃいますからねぇ。
誰にしようかなぁ、んー。

個人的に好きなのは、テスカトリポカウィツィロポチトリです。
そうそう、テスカトリポカは、「テスカトリ(=鏡)」「ポカ(=煙吐く)」ですからね?
「テスカ」「トリポカ」じゃありませんよ。間違えないようにしてあげて下さい。

まぁ、てっちゃんは有名なんで、今回はウィツィロポチトリを。

ウィツィロポチトリ(Huitzilopochtli)は、アステカの太陽神であり軍神です。
「左側のハチドリ」って意味のお名前です。
ウィツィロ…ええい、⾧い名前だな!ウィさんのお母様であらせられるコアトリクエ(大
地と金星の女神:名前の意味は『蛇のスカートを履く者』)
さんが、コアテペック山
(coatl+tepetl 要するに蛇の山)で羽毛の珠を拾った時に、ウィさんを身ごもられたと言
われています。

ところが、コアトリクエ女神の懐妊が面白くなかった(控え目な表現)コヨルシャウキ嬢
(コアトリクエの娘:月の女神)と、彼女の400 人の兄弟たちは、こともあろうか身重の
お母さんを殺そうとコアテペック山に押し寄せたのです。ひどい話ですね!
※ここで言う「400」とは日本でいうところの「八百万(やおろず)」と同じで、「数える
には多すぎるくらいたくさんの」という意味です。

さぁそんなこんなでウィツィロポチトリ誕生です!
お母さんを護るため、完全武装でお母さんの子宮から飛び出したウィさんは、顔に戦化粧
を施し、左足に羽を飾って、姉と兄弟たちに戦いを挑みました。そして最終的に彼は兄弟
たちを打ち負かし、コヨルシャウキ嬢の首を斬り落としました。やったれやったれ、えら
いぞウィちゃん!ヾ(´▽`)ノ ←マザコン

生まれたてのくせにお母さんを見事護ったウィツィロポチトリは、「戦いの化身」と呼ば
れるようになりました。彼は戦いの神、戦士の魂を司る者となったのです。

そうそう。彼の武器はシウコアトル(=トルコ石に変化する蛇)と呼ばれる炎の蛇です。
ウィツィロポチトリの画像を見ると、彼が緑青色の蛇の怪物をむんずと掴んで掲げている
図があると思いますが、彼はその蛇でコヨルシャウキ姉ちゃんの首を斬り落としたんです
って。なんで蛇がそんなに切れ味いいのかはあたしにも分かりませんが、シウコアトルは
アステカの火の神様シウテクトリ(=トルコ石の主)とも関連があるので、アステカ神話
を学ぶ際には覚えておいて損は無いですよ!

ウィツィロポチトリの有名なエピソードをもうひとつご紹介しましょう。
昔々、どこに都を築こうかと悩んでいたアステカの民に、ウィさんの神託が下りました。
「蛇を咥えた鷲がサボテンにとまっている場所に都を築きなさい」というものでした。
そんな場所はどこじゃいなと真面目に探したアステカの民が見つけた場所は、なんという
ことでしょう、テスココ湖の中に浮かぶ島だったのです!

ウィさんも、えらくまた拡張性に難がある場所を指示したもんだとは思いますが、アステ
カの方々は啓示の場所が沼沢地(しょうたくち=水草が生い茂った水深1 メートル未満の
水溜まりのこと)
であったことにも怯まず、果敢に干拓に励み、足場を拡張し続け、そし
て最終的にそれを束ねて巨大な都市を建設しました。その名もテノチティトラン(=石の
ように硬いサボテン)
。当時のメソアメリカ最大の都市だったそうです。現在はメキシコ
シティとなっていますね。

※余談ですが、要するにメキシコの現在の首都メキシコシティは、テノチティトランの上
に作られています。スペイン人がアステカの民を虐殺した後、湖の水を抜いて、その上に
新たな都市を建設したのですが、「水草だらけの水溜まりを干拓し排水し続けて乾いた土
地を人工的に作り出しその上に都市を作った」せいで、メキシコシティの地盤は脆弱なん
ですよ。毎年50cm のペースで地盤沈下してるらしいですよあそこ。きっと地の底でテス
カトリポカが大笑いしていることでしょうね。

ま、ざっと駆け足でご説明しましたが、いかがだったでしょう?
機会があればテスカトリポカの話もしてみたいですね。ただ彼とっても癖が強いので(控
え目な表現)、コラムにまとめるのは結構大変だろうなぁ。気が進まない(´_`)

それではまた!