はいどーも。紫乃女です。
ご機嫌いかがですか?

こないだ、薔薇のシッポさんとこの会員サロン(?)Elpisにて、8月の紫乃女特別賞を受賞なさった方から、「『我が愛しの神々よ(その1)』の続きを書いて下さい」というご要望を頂きましたので、謹んで「我が愛しの神々よ(その2)」を書かせて頂こうと思います。

ぶっちゃけ、古今東西、人の歴史と共に浮き沈みなさった神々なんてぇのは星の数ほどいらっしゃいますので、その中で「この人!」って絞り込むのはなかなか難しいことではありますが、前回が個人的に好きなセト(Sotha Silじゃないほう)でしたので、今回も個人的に好きなロキの話でもいたしましょうか。

ロキ(Loki)とは、北欧神話に登場するいたずら好きな神です。
元々は神(アース神族:オーディンを筆頭とするアースガルズに住む神々のこと)ではなく、神々と敵対するヨトゥンという霜の巨人の一員でした。
しかしある日、天翔けるオーディンの姿に心惹かれたロキは、アースガルズにやってきて、「俺をアース神族に加えて欲しい」と神々にアピールしました。そんな彼をアース神族最高神オーディン(彼も半分巨人族の血が流れている)はいたく気に入り、血の盟約を交わして巨人族出身のロキを自分の義兄弟にしたのです。

さぁ、そんなわけで、ここで恒例の愚痴大会です。
「ロキ」で検索すれば天下のMarvelさんとこのロキが上位にHITすることでしょう。
しかし、Avengersシリーズ&Disney plus に出て来る「ロキ」は、北欧神話のロキと、似ているようで似ていません。

Marvelのロキはソー(北欧神話のトール:雷の神)の義兄弟ということになっています。アースガルズの王オーディンがヨトゥンヘイム(古代ノルド語で「巨人の国」)で巨人族と戦った時、巨人族の長ラウフェイの息子(赤子)をとある要塞の中で見つけました。哀れに思ったオーディンはその赤子をアースガルズへ連れ帰り、自分の息子として&ソーの弟として(こっちはオーディンの実子)育てた…というお話なんですよ。

さぁこの時点で既に問題がいくつか発生しています。
何より無視出来ないのが、ラウフェイです。ラウフェイは女性なんですよ!男じゃない!
Marvelではロキの実の父親ってことになってますが、北欧神話でのロキの実の父親はファールバウティ(残酷に打つ者って意味)で、実の母親がラウフェイです。

なんでここそのまま採用しなかったの?なんでお母さんを性転換させてヨトゥンヘイムの王にしちゃったの?そんな必要性ある?無駄な性転換はアスタロト(メソポタミアの豊穣の女神イシュタルをキリスト教連中が性転換させたうえに自分とこの悪魔として設定した)の例もあるように、紫乃女の怒りを無駄に買うだけだと思うんですけどねぇ?

ロキが「ファールバウティの息子」として記述されることより「ラウフェイの息子(ラウフェイソン)」として記述されることのほうが多かったのは、ラウフェイが巨人族ではなくアース神族だったのではないかっていう仮説があるくらいなんですから、ますますラウフェイはストーリー上大切に扱うべき存在だったのでは?自分の都合で女神様をぽんぽん性転換させたり生まれを変えたりするのは、あの礼儀を知らぬ四文字野郎のところの一派だけでたくさんですよ!Marvelはイシュタル女神の怒りに撃たれるがよいわ!

しかもロキがソー(トール:Thor ソーはThorの英語読み)の弟ですって?
ロキはオーディンの義兄弟でしょ?
なんでここでトールが出てくるのよ。関係ないじゃん!

まぁ、この二人、実は北欧神話じゃそれなりに仲良しで、一緒に巨人の国を冒険したりしているので、この二人を組ませるってのは理解できるんですけれど、義兄弟にする必要は無かったんじゃないの?

そして最大の問題は、Marvel産のロキは氷(霜)の巨人族出身だから、冷気耐性があるってとこですよ!あんたねぇ、北欧神話のロキは火の神様なんだよ!?なんで性質逆にしちゃうの!お母さんの性別を男にしちゃうし勝手に無関係のトールの弟にしちゃうし神としての性質も真逆にしちゃうなんて、ちょっといくらなんでもオリジナルを軽視し過ぎじゃないんでしょうか?そこまでいじるなら、いっそロキの名前も変えなさい。さすがに失礼が過ぎると思いますよ!>Marvelコミックス

…ま、そこらへんをどければ(容姿の違いは別として)、いたずら好きなところも、変身が得意なところも、口が悪いところも、北欧神話とMarvelコミックスとではそう大差はありません。

特に、洒落にならないいたずらをするという点においては、北欧神話のロキのほうが上でしょう。なんと彼はオーディンの義兄弟でありながら、オーディンの息子バルドルを策略により殺してしまう(正しくは、バルドルの弟ヘズに、バルドルを殺させるよう仕向けた。ヘズに兄を殺すつもりは全く無かった)んですよねぇ。さらに、息子(バルドル)を死者の国から呼び戻そうとしたフリッグ(オーディンの妻:金曜日Fridayの語源となった女性)の願いを踏みにじり、バルドルの死を決定的なものとしたんです。んもう悪役ここに極まれり!って感じですね。

そしてロキは、北欧神話の最後の戦ラグナロクにおいて、巨人族を率いてアース神族に戦いを挑み、アース神族の光の神であるヘイムダルと相討ちになって死亡します。結局彼は、オーディンの義兄弟になったにもかかわらず、自分の生まれを偽れなかった、アース神族には成り切れなかったということなんでしょうね。

じゃあなぜ紫乃女はそんな悪役が好きなのか。
実はロキには、セトの時と同様に、アース神族を裏切るだけの理由があるようにあたしには思えるからです。

さっき、「トールとロキは一緒に巨人の国を冒険した」って言いましたよね?
力自慢で好戦的で、ちょっとオツムが足りないトールは、敵地である巨人の国で何度も窮地に立たされます。彼が無事にアースガルズに帰れたのは、ロキの数々の機転のおかげです。

また、石工に化けた巨人からの無理難題(月と太陽と女神フレイヤを寄こせば国を囲む立派な城壁を作ってやろう)を、我が身を犠牲にして解決したのは他ならぬロキです。詳細は省きますが、なんと男性神であるロキは、巨人の連れているスヴァジルファリという雄馬に城壁づくりの作業を手伝わせないよう、自ら雌馬に化けてスヴァジルファリを誘惑するのです。その時に産まれたのがスレイプニルという八本足の馬です。この馬はオーディンのお気に入りとなり、最高神の天翔ける馬となりました。

しかし、ロキの子供達の中で無事だったのはスレイプニルだけです。他の子供達はそれぞれ酷い目(控え目な表現)に合わされました。

ロキの子供である狼のフェンリルは妖精の作った鎖で縛りあげられ、大蛇のヨルムンガンドは海に投げ捨てられ、娘ヘルはニブルヘイムという下層の冷たい氷の世界に落とされてしまったのです。

自分の子供達をオーディンにこんな目に合わされて怒らない父親もそうそういないとあたしは思います。そのくせオーディンは自分の子供一人をロキに殺されて怒り狂って彼を彼の息子(ナリ)の腸で縛り上げ、巨大な毒蛇のいる洞窟に幽閉して散々苦しめたんですよ?この時点でもちろんナリは殺されています。自分の父親を大きな岩に縛り付ける拘束具として腸を引きずり出されて八つ裂きにされちゃったので。バルドルの仇っていうならナリを殺してこれでおあいこでしょ?でもその前にロキの子供の一人はオーディン用の馬として召し上げられちゃって、残りの子供達は酷い目に合わされてるでしょ?その分の代償をアース神族はロキに支払うべきなのでは?これじゃラグナロクでロキ&巨人族に攻めてこられちゃってもしょうがないと思うんですよねぇ。アース神族の自業自得ですよ。

そんなわけで、あたしは、ユダやセトと同じように、物語の中では悪役にされてはいるものの、「そうなるのも無理はない」と思える者に肩入れする傾向があるようなのです。
たとえ相手が神であっても、天秤は釣り合わなければならないのですから、一方的に断罪されている存在を見ると、「やってられねぇよなぁ?わかるわかる」とつい手を差し伸べたくなっちゃうんですよねぇ。

…やってられねぇよなぁロキ。悔しかったろう?わかるわかる。でもあんたの息子のフェンリルは、ラグナロクでオーディンを食い殺したぜ。あんたの息子がアースガルド最高神を倒したんだ。良かったなぁロキ。いい息子さんじゃないか!ヾ(´▽`)ノ

さて、ずいぶんと長く語ってしまいましたね。
やはり自分の好きな神の話だと長文になってしまうなぁ。いかんいかん。
しかし、かと言って、自分の嫌いな神(四文字野郎)の話をすると、好きな神の話の何倍もの長文になることが簡単に予想出来るのでコマリモノですよ(-“-)
あたしもいい歳なんだから、そろそろ「程々」ということを覚えないといけないなぁ。
ふぅ(-“-)